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トウゴマ(ヒマシ)


デトックスを期待されるヒマシ油


トウゴマ(唐胡麻) 学名:Ricinus communisは、トウダイグサ科トウゴマ属の多年草で、ヒマ(蓖麻)の別名があります。

種子から採油するヒマシ油(蓖麻子油)は、世界中で広く使われており、デトックス効果の高いオイルとしてシップや飲用、腸内浄化など使い方も様々です。


デトックス効果を期待されるヒマシ油
デトックス効果を期待されるヒマシ油


原産は東アフリカ説が有力ですが、いまでは世界中に分布し、公共の場で観葉植物として見かけることも多くなりました。

種子の油分量は40~60%でオイルには蜂蜜のような粘りがあります。


フランネルなどに浸して肝臓の上にあてて温めるヒマシ油シップは、民間療法として人気が高く、私もマクロビオティック食事法を実践していたころ、1か月間のヒマシ油療法を試したことがあります。

ヒマシ油を含ませた布を右わき腹にあて、パラフィン紙をかぶせて固定、肌に密着する下着でさらに固定し、その上から貼るカイロを装着します。

シップ時間は1時間くらいで、3日間続けて、4日間休み、それを4週間続けます。

デトックス効果が高いということで、毒素排泄をしてくれる肝臓にあてるという理屈です。


当時はデトックス効果を高めるため、シップ中あれこれ仕事をしないでゆっくりしていた方がいいとレクチャー受けたのですが、なんやかやと忙しく動き回っていた記憶があります。

それでも1か月後には、快便快眠、肌も髪もつやが出て、満足したことを覚えています。(個人的感想です)

その後、ホホバオイルに大匙、1,2杯のヒマシ油を混ぜてセルフ・マッサージをする

ようになりました。

ヒマシ油は粘性が強く滑り心地がよくないので、マッサージの時はヒマシ油単体で使用せず、滑りがよく軽めのオイル、ホホバやグレープシードオイルに混ぜて使っています。


マッサージオイルには、デトックス効果を高め、サポートする目的でローズマリー、グレープフルーツ、ティトリー、レモンの精油をよく使います。

なんとなく調子が悪いとき、風邪をひきそうだなと感じるとき、お風呂上がりに精油とヒマシ油入りのオイルで全身マッサージをするのがわが家の予防、第1処方になりました。たいていの不調はこれで快癒し、大事に至らず過ごせています。

肝臓は体内の毒素排泄だけでなく、怒りの感情とつながりの深い臓器と聞いたことがあり、怒りのエネルギーを鎮静化するカモミールを、ヒマシ油マッサージに合わせることも多いです。




トウゴマ(ヒマシ油)の歴史


BC4000年ころにつくられた古代エジプトの墓所からトウゴマの種子が見つかっており、

BC2000年頃のインドでは、ヒマシ油を灯りや便秘薬として使用していたと記録されています。

BC500年頃のギリシャの歴史家ヘロドトスは、ヒマシ油を灯りに使い、また身体に塗る油でもあると記述しています。

日本では、ヒマシ油は日本薬局方に収録されており下剤として使われています。


ヒマシ油は飲用で用いると、小腸を刺激して蠕動運動を促進させる効果があるそうです。

昔のヨーロッパ・アメリカでは、傷みやすい肉を常食していたので、伝統医療で下剤としてよく使われていたそうで、ヒマシ油の服用は、千年近く続く正式な医療行為の一環でした。

とくにアメリカ北部では、現在も万能薬のように扱われているそうです。



古き良きアメリカ時代


アニメ『ポパイ』の恋人、オリーブの兄の名は、キャスター・オイル(Castor Oyl)、ヒマシ油の英語名です。


ポパイやトムとジェリー、若草物語、トム・ソーヤの冒険、スタンド・バイ・ミーなど、古き良きアメリカを彷彿とさせるお話のなかに、ヒマシ油はよく登場します。

いたずらの罰として子供に飲ませるというのが代表的な使われ方ですが、トムとジェリーでは、ヒマシ油を飲まされたトムは盛大に嘔吐するというオチです。

子供にとって苦い薬の代名詞のようになっているんですね。


スティーヴン・キング原作の映画、スタンド・バイ・ミーでは、パイの早食い大会を滅茶苦茶にしようとして、ヒマシ油をのんで嘔吐しまくる少年が出てきます。

それを見た他の大会参加者もつられて嘔吐し、大会は思惑通りめちゃくちゃになりました。






民間療法の代名詞


現代では、マクロビオティックに限らず、さまざまな団体や病院が、ヒマシ油をつかった療法を提唱しています。

実際にやってみると効果を感じられて、リピートしたくなるから続いているのだろうと思います。

怒りの感情をコントロールする療法は様々ありますが、肝臓の興奮を鎮めて、リラックスさせることは全療法に通じているようです。

たしかに肝臓に負担をかけると、毒素をうまく排出できなくなり、イライラして怒りっぽくなり、機嫌悪いのが通常運転のようになってしまいます。

怒りに飲み込まれると目が三角になって、表情筋に独特のしわが寄り、顔色も悪くなってしまいます。


ヒマシ油シップ療法を教えてくれたマクロビオティックの先達は、怒りを悪いものと考えず、しっかり表現できるように工夫することが大切だと教えてくれました。

もとより先天的に肝臓が強い人の場合、たいへん粘り強く、仕切屋として采配を振るうのが上手で、現場監督に手腕を発揮するという、五臓六腑と体液の質による分類法も同時に学んだのですが、「怒りエネルギーの取説」は、地球人類が平和種族として未来を拓くための、登竜門なのかもしれないと感じていました。



怒りエネルギーの取説


わたしの場合、ヒマシ油シップ療法をしながら「怒りとバイオレンスをくっつけて考えない」「怒りに罪悪感や羞恥心をくっつけない」という練習が必要でした。

怒りエネルギーが「頭にくる」と明晰な判断力も鈍るけれど、頭寒足熱で「腹が立つ」ようにエネルギーを下降させ、自らの腹に力をこめて、自身の限界を超える創造パワーに転換する。

たしかに怒りエネルギーがブーストになって、できなかったことができるようになったり、無理だとあきらめていたことに取り組み始めたり、怒りエネルギーは使い方によってかなり重宝する起爆剤になることは、幾度も経験し実感しています。


先達の教えでもうひとつ、怒っているときは肝臓も興奮しているので、怒りが鎮まるまで食事の時間をずらした方がいいというアドバイスは、ずっと守っており、それは至極単純明快な自然の摂理のようにも感じています。

食事によって取りこんだものを消化する過程で、やり場のない怒りエネルギーをスパイスにすると、毒素排泄どころか、逆に体内に毒素が循環してしまうような気分になります。

逆に創造する、表現する、排出する行為は、自分を分解し、分離して、なにかを生み出すことなので、怒り心頭、怒髪天になっているときは、取りこむことをやめて、腹に力をため、もっぱら吐きだすことに専心するのが摂理かなと。



耐暑性の強いトウゴマ


アフリカ原産なので夏越しは問題ありませんが、霜にあたると枯れてしまいます。

水はけのよい土壌なら勝手に元気に育ちます。病害虫に強く、手間がかからないので育てやすいハーブです。

1メートル以上に大きく育つので、ポットで育てる場合少し大きめのものを用意します。

基本的に移植をしなくて済むよう植え付けるのが良いようです。




*当ブログで紹介している植物の一般的な性質は化粧品の効能を示したものではありません。








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