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笹の葉サラサラ



笹の葉が擦れあう音はサラサラ。 人の耳元まで近づいてきて、その音色を楽しませてくれます。 サラサラ音は「気がついて」「ふりむいて」といわんばかりに、手が届きそうなほど近くに感じますが、気づいた瞬間、耳元から遠く離れてしまう。 つかみそうでつかめない不思議な感覚です。


実際イネ科植物はシリカを多く含み、葉はかたくなるので、擦れあうと、空気を含んだように横に広がり、流れるような音色が響くんだなぁと感じています。 四大元素、風の精霊シルフィードと仲が良くて、いたずら好きなのかな、とも。


笹の葉
笹の葉


笹は日本原産植物、学名はSasaという表記になっています。 笹にはたくさんの種類(植物学上の分類)がありますが、有名どころではクマザサと呼ばれる笹の葉が、健康食品として知られるようになりました。

積雪のある日本海側ではチシマザサやクマイザサ、チマキザサとよばれる種が多く、雪の少ない太平洋側ではスズタケやミヤコザサと呼称される種があります。



幻の花


笹の葉は、願い事を託すだけではなく、殺菌、防腐作用が強いことから、食べ物を包む郷土料理として日本のスタンダードです。

山の多い日本という国土は、笹が生えていることで土地が守られていると聞いたことがあります。 笹は地下茎で互いにつながっており地盤を強固にしている。また寿命の長い植物なので、雨風や台風で土地が崩れるのを防いでくれると。

笹の寿命は約40~60年で、生涯に一度だけ花を咲かせます。 同じタケ亜科の竹も、約120年に一度花を咲かせ、枯れゆくサイクルの植物です。 幻のような笹・竹の花は、虫や動物を誘引するための色や香りをもつことはなく、受粉のために風と契約をした風媒花です。

人の寿命を想うと、開花を見られるのはとても貴重な体験。 ましてや江戸、明治、大正と平均寿命が40歳くらいだった時代を想うと、笹の方が総じて長生きだったわけです。



星と植物


スイスの医師で占星学者でもあったパラケルスス(1500年ころ)は、身体の各部位や内臓に惑星をあてはめ、薬草、貴石、色彩に影響を及ぼす「支配星」について集録しました。 先進的な哲学者であり教育者のシュタイナーも、星と植物についての文献を多々残してくれました。 寿命の長い植物は、土星以遠の公転周期が長い天体が象徴するものを、地上におろす役目を担っているのではないかしら、と考えています。

土星の公転周期は約30年。 天王星は約84年。 海王星は約165年。

笹は土星と天王星のあいだにあるキロンからの情報を、地上にもたらす植物なのかもしれません。 占星学的に考えると、土星は山羊座の支配星で土属性です。 地球生活を脅かさないよう守ってくれる土星のはたらきは、安定を維持することを優先させ、杓子定規になり、いのちの躍動を制限して、息苦しく感じることがあります。 風属性・水瓶座の支配星である天王星は、そんな土星にときおりちょっかいを出して、厳格すぎる土星の閉塞感に風穴を開けようとします。 キロンは二つの天体のあいだをめぐりながら、天王星からの影響をいったん受け止めるバッファとなって、土星に柔らかく伝令します。

笹はサラサラと心地よい音色を奏でて、地盤を守りつつ、それでも一度花を咲かせると、地下茎でつながった群がいっせいに実を落とし、野ネズミなどの繁殖を増大させ、さらにネズミを食べる動物たちを繁殖させ、50年ほど維持してきたその土地の食物連鎖・生態系を塗り変えてゆきます。 天王星の風穴作戦は、数十年に1度は敢行されるけれど、日常的に起こらないようバランスをとっているんですね。 肉体寿命が限られた人間には、はかり知ることのできない星と植物たちの連携は、地球の呼吸運動みたいなものなのかもしれません。

タケ類は世界で600種とも1200種とも言われていますが、日本国内でも150種とか600種とか分類は学派によってまちまち、学術的にラベリングするのは大変そうです。 手が届きそうで届かない、解りそうで解らない。 タケ類はかぐや姫を宿した植物ですから、研究目線では見えてこないものもたくさんあるのだろうな、と。



ドリームタイムを支える植物



クマ笹は笹のなかでもとくに生命力の強い植物です。 寿命は60~120年といわれており、雪の中でも枯れずに耐え抜く、寒さに対する抵抗力をもっています。 厳しい環境で育ったクマ笹ほど、葉緑素や多糖体などが多く、医薬品の原料にもなっています。

寒い地域の野生動物は越冬能力をつけるため、笹を食べるといわれます。 熊が冬眠前に笹をたくさん食べるのは、冬眠中は排便を行わないので体内が老廃物で汚れるのを防ぐため、と考えられています。



*当ブログで紹介している植物の一般的な性質は化粧品の効能を示したものではありません。


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