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女神たちのハーブ

  • 執筆者の写真: shirokikurage
    shirokikurage
  • 5 日前
  • 読了時間: 16分

 【ローズマリーものがたり】vol.4 ローズマリーに秘められた女神の系譜

と永遠の若さの秘密



Shield72°製品の主成分(基剤)として採用したハーブ、ローズマリーの魅力を、深掘りしつつご紹介させて頂く【ローズマリーものがたり】


前回は海岸沿いでよく育つ、ローズマリーの植生に焦点をあてて、海と陸の境界線に強く根を張るハーブの知恵を紐解きながら、イギリスの古い民謡「エルフィン・ナイト(妖精の騎士)」の世界へ旅をしつつ、エーテル体(オーラ)についての深掘りをしてみました。


第4回目は聖母マリアに祝福をうけたローズマリーに宿る、「女神パワー」についてインサイトしてみたいと思います。



天に向かって上へ、上へ、、


聖母マリアに関連づけられたローズマリー「マリア様のバラ」は、海から誕生した古い女神たちの庇護のもと、此方と彼方の境界線をつなげるお役目を担うかのように、葉も茎もまっすぐ天にむかって、上へ上へと生育します。

上昇したがるエッセンスに同期をとってデザインされたかのような細い葉は、洗いやすくて乾燥もさせやすい、暮らしに役立つマストハーブとなりました。


ローズマリー

ローズマリーのエッセンスは、たとえるなら炎、情熱、希望、夢、はるか遠くの星との約束、星との思い出。

上昇する流れに勢いをつけて、めぐりと循環を活性化するエネルギーは、いつでも精神性を高めて、生きることへの前向きなポジションを思いださせてくれます。


たとえば炎によって気体がもえるとき、燃えるほどに周囲の空気の密度をちいさくして上昇気流を発生させます。

上にむかう流れと勢いを発生させる炎の性質は、物質的密度を薄めることで、あたり一面に精神性を充満させて、大気のなかに異空間スポットを生みだすような感じがします。それはローズマリーをデフューズしたり、香煙を燻らす時にも、同じような気配を醸しだす魔法みたいだな、と。


ローズマリーの生命エネルギーが血液に浸透すると(心臓をスタートした血液はまず頭部に酸素や栄養素を運ぶため、左の頸動脈を上がって頭部領域にむかうといいますから)頭部域に向かう血液の勢いがまして、血流がよくなり、集中力がアップしたり、記憶力が良くなると伝承されてきたのかもしれません。


心臓から流れる血液


「聖母マリアのバラ」 / 強大な力が慈愛へと洗練された瞬間


聖母マリアの系譜には

→海の泡から誕生した愛と美の女神アフロディテ

人類史最古の物語といわれるギルガメシュ叙事詩に登場する大女神イシュタル

→地中海東岸で栄えた古文明、ウガリット神話に登場する混沌の海からきた女神アスタルト

という伝承があります。


古文明であつく信仰されてきた大女神、イナンナ / イシュタル / アスタルトは、愛と戦い、冥界の支配を象徴する、紀元前数千年の、中近東における最も古い女神たちです。


古参女神の神話を紐解くと、愛と情熱(性)、豊穣、戦い、そして冥界への降下と再生を司る、生と死の両極端を支配する強力なエネルギーを表していることがわかります。


信仰対象は、古代ギリシャローマ時代にはいると、愛と美の女神アフロディーテ/ヴィーナスとなって人気を集めます。

時代の潮流は冥府(死と再生)や戦いの要素がだんだん薄まってきたこともあり、美とか、愛とか、官能的な喜びを司る神としての焦点化が必要だったのだろうと想像しています。


あたまが動物になったりするのはもう時代遅れだよ、人は人型に定着させよう、とばかりに人型ばんざい潮流がどんどん浸透していったギリシャローマ文化期は、秩序だった理性の世界に合わせて、原初の荒々しい力はそぎ落とされ、より親しみやすい女神へと調整されていく流れがあったのだろうと思います。


愛と美の女神から聖母マリアへ

さらに時代は下り、現代社会(ゲルマン文化期)では「女神の元型」は、キリスト教の聖母マリアへとつながって「特定の宗教のなかにおさまる理想像」に集約されました。


人智をこえた強大パワーを発揮する大女神の存在は背後に隠れて、衣食住足る安穏とした日常生活のなかで、もっと身近でわかりやすく、攻撃性のない神さまが必要になったのだろうと思います。


女神の系譜をたどると、ずっと共通しているのは慈愛と母性です。

古代女神の「生命の源泉(母性)」は「人類の救世主を生み育てた慈悲深い母」となり、大女神の自由奔放・天真爛漫な性的側面や荒々しい戦いの力は、マリア像からは完全に排除されて、処女性と無垢な慈愛という側面が強調されています。


さらに女神たちのシンボルを整理すると「海神」「水神」「海の泡から誕生」「アヴェ・マリス・ステラ(愛でたし海の星)」と、海にまつわる物語に紐づいています。

それは金星との強いむすびつきを象徴して、さらにその背後には恒星シリウスやおとめ座スピカがいるのではないかと想像しています。



地球―金星―恒星シリウス、スピカ


シリウスについては古代エジプトのイシス女神とのつながりが有名です。

エジプトにおいて理想的な母性と魔力を司り、万物の母的存在として信仰されてきたイシスは、古代エジプト時代にシリウス(ソプデト)と同一視され、その光はナイル川の氾濫(豊穣)をもたらす生命力の象徴でした。


女神イシスの「生命と再生」「理想の母」側面は、聖母マリア系譜の「慈悲深い母性」の側面に通じるものがあります。

また女神イシスは松明やイネ科植物をもつ姿で描かれ、乙女座のモデルとなった豊穣の女神デメテルやアストライヤ-にもつながりを感じます。


乙女座(Virgo)の一等星スピカは「天空の女王の座」元型として、キリスト教ではしばしば聖母マリアと同一視され、純粋で完璧な母性の象徴と考えられてきました。


荒々しい強大な力や性的側面を、慈悲と純粋な力に洗練させた女神像の最終形態、その源泉になったのはスピカなのではないかな、と感じています。スピカ成分とシリウス成分を主な軸にして、太陽から金星を経由して地球にエッセンスを降ろした女神たち。そんなイメージを聖母マリアの系譜に感じています。


聖母マリアとローズマリー


女神たちのハーブ


地球史をにぎわしてきた女神元型は


  • 小アジアで信仰が深かった大地の力を司る原初の母神キュベレやその原型にあるクババ

  • 大地の女神から神々の王の妻へと変容した女神ヘラ

  • 理性と文明、男性的な戦術を象徴するアテネ

  • 狩猟と野生、動物や自然の力を司り、文明化されていない自然領域を支配するアルテミス

  • 三位一体(乙女、母、老女の側面をもつ)元型から派生したヘカテなどの魔女や女神たち

  • 「天空の雌牛」として豊穣と愛を司るエジプト神話の女神ハトホル

  • 太陽光が灼熱になるとき、疫病・狂気の象徴となったライオン女神セクメト

  • 愛、豊穣、戦い、魔法と、たくさんの力を併せ持つ北欧神話の女神フレイヤ

  • インド神話三柱の女神、創造(ブラフマーの妻サラスヴァティー)、維持(ヴィシュヌの妻ラクシュミー)、破壊(シヴァの妻パールヴァティー)


などなど、有名どころだけでもたくさん思い浮かびます。


それぞれの女神たちとハーブのつながりを考察した【ハーブ天然ものがたり】。

ご興味ある方はゼヒご覧になってください!


女神たちとハーブ

女神たちのハーブ


☆聖母マリアの系譜☆マジョラム・オレガノ/YouTube


☆女神ヘラ☆ジャスミン/YouTube


☆女神アテネ☆オリーブ/YouTube


☆三位一体を元型とするデメテル・ペルセポネ・ヘカテ☆ミント/YouTube


☆三位一体を元型とするホーライ3姉妹とアストライヤ☆白露の候|乙女座の季節/YouTube


☆キュベレ、クババ、アルテミス☆よもぎ/note記事


☆インド神話3柱の女神☆胡椒/YouTube


☆インド神話3柱の女神☆蓮/YouTube

 

☆女神フレイヤと聖母マリア☆ハゴロモグサ・レディスマントル/YouTube


☆ハワイの古い神話 火山の女神ペレ☆ロドソルスマリヌス/YouTube

  

☆ライオンと獅子座と女神セクメト☆エーデルワイス/YouTube


★一気見したい人はこちら★

再生リスト【女神たちとハーブ】





太陽神象徴であり、愛の女神が守護するローズマリー

あなたの心に眠る太陽をどう起動させるか? / 17世紀の賢者が説く「太陽のハーブ」


ローズマリーにまつわる伝承から、マリア様の祝福を受けたことは過去記事に綴っています。古代ギリシャでは太陽神アポロンに捧げられた伝承もあり、ローズマリーの、太陽光が大好き植生や、温性で燥性と分類された性質、ニコラス・カルペパー(17世紀のハーバリスト)が支配星を太陽と定義したことからも、人のこころとからだを賦活して、気力・活力をよみがえらせ、陽気の強壮に役立つことが想像できます。


心に眠る太陽を起動する

心気を活性化すると伝えられてきたローズマリーは、「脳の血流量を増加させる」と、各種アロマテラピー講座などで学ぶことも多いと思います。


西洋占星術では太陽は人体のなかで心臓に結びつけられます。

心臓の鼓動は、いったいなにを動力源にうごきつづけているのか、現代の学術的見解では、心臓は、脳からの指令を必要とせず、「それ自体が電気信号を生成する特殊な細胞の集まり」を持っていると定義されています。


ナニモノカわからないことを「特殊な細胞の集まり」として、とりあえず整理している感じです。

それ自体が電気信号を生成する?

数多ある宇宙の星々と、地球を切りはなし、地球に生きる生命種を、まるでここだけで存在しているかのように考えてしまうと、計測できないものや、物理的に解釈できない領域からエネルギーを受けとっているという発想は成り立ちません。そうした肌感を、誰もが心のどこかで感じていながら、言葉に変換できない時代をわたしたちは生きています。


地球は太陽なくして存在できず、その太陽も天の川銀河のうんと端っこにある恒星のひとつです。

地球だけで完結しているような循環機能は皆無で、太陽やほかの惑星・衛星とのつながりがあってこそ、運動エネルギーを生成しつづけることができる、というフローは、宇宙の構造を思い描けばだれもが想像できることだと思います。


太陽系とローズマリー

同じように人体におさめられた臓器や循環器系、神経系、皮膚も骨もすべては、大いなる宇宙とのつながりのなかに存在しています。ただ、現代は、古い女神たちが背後にかくされてしまったように、からだのなかにおさめられた太陽の系譜は、忘れさられてしまっただけなんだろうな、と。


ローズマリーの花言葉のひとつ「記憶」には、大いなるつながり、忘れさられてしまった系譜、宇宙の創造物としての生命体というプレゼンスを、忘れないようにまもっている、という意味がかくされているのかもしれないと感じています。


フシギなことに、こうした古い系譜(つながり)をひとつでも思いだすと、からだもこころもがぜん元気が出てきます。

逆に肉体という枠のなかにおさまって、心臓には自家発電する特殊な細胞があるのだと思いこむと、つながりを見失い、完全孤立する状態に嵌ってしまい、世界は自分と自分じゃないもので構成されている、油断のならぬ恐ろしい場所になってしまうのではないかな、と。


大いなるエネルギー供給源を思いだすことで、意識は宇宙規模に拡大して、言葉に尽くせぬ荘厳な万物のうつくしさに思いがいたり、自分もその一部なんだとしみじみ感じ入ることができるから、自然と元気が湧いてくるのだと思います。



ハンガリー王妃を蘇らせた「若返りの水」


現代ではローズマリーの効能は、さまざまな知見が流布されています。

記憶力・集中力向上、血行促進(疲労回復、冷え性改善)、リフレッシュ効果(精神安定、やる気向上)、抗酸化作用(アンチエイジング、がん予防)、抗炎症作用(筋肉痛、関節痛緩和)、抗菌・抗アレルギー作用(風邪、咳、皮膚炎)、消化促進作用(食欲不振、消化不良改善)、認知症予防あたりはとくに有名です。

特に伝承されている効能をまとめると


脳・精神に

☆記憶力・集中力の向上、脳の活性化(認知症予防にも期待)

☆気分をリフレッシュさせ、やる気や活力を与える(うつ気分、疲労感の軽減)


身体への効果

☆血行促進、代謝改善(冷え性、むくみ、肩こり、疲労回復)

☆抗炎症作用(筋肉痛、関節痛、リウマチの緩和)

☆抗菌・抗ウイルス作用(咳、気管支炎、風邪症状の緩和、皮膚の炎症)

☆消化促進(食欲不振、消化不良、胃の不調)

☆抗酸化作用(老化防止、肌の健康維持、がん予防)

☆頭皮や髪の強化(抜け毛予防)

あたりは共有できる知識として広まりました。


ローズマリーの学術的な見解・分析がされていなかった14世紀に、「ハンガリアンウォーター(若返りの水)」として広まった有名な逸話があります。


ハンガリー王妃エリザベート(エリザベス)は、高齢(70代)で健康を害し、手足の痛みなどに苦しんでいました。

博識な隠者(または修道士)から、ローズマリーを漬け込んだ化粧水(ハンガリアンウォーターを贈られ、皮膚に塗りこんだり少量を飲用したりしました。

すると体調が回復し、若々しい美しさを取り戻しました。

すっかり若返った70代の王妃は、隣国の20代の王子から求婚され、幸せな日々を送りました。


ハンガリアンウォーターとして後世に伝えられたローズマリーウォーターは、その当時は蒸留酒に漬け込んでつくられたハーブチンキ(アルコール抽出液)だった可能性が高いです。

ハンガリアンウォーターはヨーロッパ中で「王妃の水 (Queen of Hungary's Water)」として広く知られ、18世紀にオーデコロンが登場するまで長く愛用されました。


初期のハンガリアンウォーターの主成分はローズマリーでしたが、その後、時代や地域によって、ラベンダー、ペパーミント、オレンジフラワー(ネロリ)などが加えられるようになります。



Shield72°でローズマリーのフシギ・エッセンスを感じてみよう

現代の私たちへ。 / 女神の知恵を凝縮した「祝福の水」


奇跡の再生を、現代の肌へ。

14世紀に王妃の若々しい美貌を取りもどしたハンガリアンウォーター。

その主成分だったローズマリーの力は、時を超え、Shield72°のキー成分として凝縮されています。


当社製品は、精製水を使用せず、広島県産無農薬栽培のローズマリー葉水(基剤)を主成分にしています。エリザベス王妃が肌に塗布したアルコール抽出液(チンキ)や、後の時代に愛されたハーブ蒸留水の知恵を現代のスキンケアにも応用できると考えました。


海のしずく(Rosmarinus)の名の通り、Shield72°スキンケア製品は、聖母マリアや女神の系譜が伝える「生命の源泉(再生)」のエネルギーを肌に届ける、現代における「祝福の水」です。


Shield72°ローズマリーから生まれたナチュラルスキンケア
Shield72°ローズマリーから生まれたナチュラルスキンケア


Shield72° Organic aroma skincare series


Shield72°(シールド72°)は水を使わず

★広島県産無農薬栽培ローズマリー葉水(基剤)が主成分

★保湿目的で有機栽培によるローズマリー葉エキスを配合

★賦香目的でオーガニック・ローズマリー葉油(精油のこと)を配合


全製品において合成香料を使用せずオーガニックアロマ100%の自然なオリジナル・ブレンドの香りです。


Shield72°ローズマリーから生まれたナチュラルスキンケア
Shield72°ローズマリーから生まれたナチュラルスキンケア


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当サイトで紹介しているローズマリーの歴史的逸話や一般的な性質は、化粧品の効能を示すものではありません。製品の効能効果は「保湿」が目的であり、香りは「賦香」を目的としています。

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ハンガリアンウォーターレシピいろいろ


ハンガリアンウォーターのレシピは、発祥とされる14世紀から18世紀にかけてヨーロッパ全土に広まる過程で、地域や個人の嗜好、入手可能な材料によって数多くのバリエーションが生まれました。

はじまりの主成分はローズマリーとアルコールでしたが、時代とともにさまざまなハーブや精油が加えられ、香りの複雑さや薬効が高められていきました。


1. ラベンダー (Lavender)

ローズマリー水と同様に、古くから存在する「ラベンダー水」は、ハンガリアンウォーターにも頻繁に加えられるようになりました。

ラベンダーは鎮静作用やリラックス効果で知られています。

ペパーミントのようなシャープな香りを和らげる効果もあり、穏やかでフローラルなアクセントを加えます。肌荒れを抑える効果も期待されました。


ラベンダー畑

 

2. ペパーミント (Peppermint)

後世のレシピ、とくに18世紀以降の調香師による処方箋に登場しはじめます。

ペパーミントの最大の特徴は爽快感と清涼感。肌に塗布すると、ひんやりした感覚をあたえて、血行促進作用や抗菌作用も期待されました。ブレンドすることで、ほんのり刺激的で活動的な印象が加わります。現代に近づくにつれて外的環境が騒がしくなり、外部刺激が多くなったことから、ミント系の刺激を欲する傾向が強まってきたのかな、と想像しています。


ミント

 

3. オレンジフラワー(ネロリ)その他の柑橘系 (Orange Blossom / Neroli / Citrus)

オーデコロンの登場と関連して、18世紀ころから柑橘系の香りが重視されるようになりました。

オレンジフラワー(ネロリ)は、香りに深みと上品なフローラルノートを加えます。

レモンやオレンジの皮にふくまれる精油成分は、フレッシュで華やかな印象を深めて、気分を高揚させる効果があります。ローズマリーの薬効成分と相まって、肌の引き締め(収れん)効果を狙ったレシピも存在しました。 


オレンジ


4.その他の追加ハーブで有名なもの

セージ

抗菌・収れん作用

タイム(タチジャコウソウ)

殺菌作用や強壮作用

メリッサ(レモンバーム)

穏やかなレモンの香りと鎮静作用

バラの花びら(ローズ)

香りに優雅さを加え、肌を整える目的



いろいろなハーブの組合せのなかから、わたしがもっともよく好んで組み合わせるハンガリアンウォーター・ブレンドは、、


ローズマリー   おおさじ1

ローズバッズ   小さじ1

オレンジピール  小さじ1  

ミント      小さじ1

オレンジフラワー 小さじ1

レモンバーム   小さじ1

ローズヒップ   小さじ1 


おおさじ小さじの分量は、すべて乾燥ハーブのことで、精油は使いません。

乾燥ハーブを混ぜて、火にかけられる容器に移し、ミネラルウォーターで4,5分煮だしてハーブ浸出液をつくります。さらしなどでこして、清潔な瓶に入れ、冷蔵庫保存で5日間を目安に使いきります。


肌に塗布したり、飲用したり、夏は氷にして保存することもあります。

正直言って風味はすばらしいですが美味しい~と感じるものではありません。


このレシピでさらに精妙な香りを堪能したいなら、もうひと手間かけて、水蒸気蒸留法で、湯気を水にして集める方法があります。

蒸留水 ハンガリアンウォーター

わたしは専用の容器を使いますが、おうちにあるもので工夫する手もあります。


深い鍋に精製水とハーブを入れる。

蒸し器やざるなどをかぶせて、その中央に水滴をあつめる容器を置く。

底のまるいボウルを鍋のいちばんうえに置いて、湯気がまんなかに集まって、雫になるようにセットする。


ハンガリアンウォーター後年のレシピは、香りのバリエーションをふやすだけでなく、伝承されてきた知恵を「万能薬」としてさらに効果を高めようとする試みでもありました。

ローズマリーの若返り効果に加え、ラベンダーでリラックスさせ、ペパーミントでリフレッシュさせるなど、使用者の心身の状態に合わせた、さまざまな処方へと進化していったのです。

現代の化粧品やアロマテラピー製品にも通じる、ハーブの複合的な効果を活用する知恵が、当時のレシピにつまっていると感じます。


そしてシンプルに、ハーブと触れあう時間は、それだけで癒し効果抜群、と思います。

まぜたり、調合したり、目で見て、手で触れて、ほのかな香りを聞くことで、あたり一面に静けさがひろがって、いまここに、完全に存在している自分のプレゼンスを思いだすことができる。

そうした時間の質は、自然と、心臓が動いていることや、血液が循環していることに、感謝のきもちが膨らんでゆくものなんだと、しみじみ感じています。








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