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たましいの潮だまり☆魚座1度【星と神話のものがたり】

  • 執筆者の写真: shirokikurage
    shirokikurage
  • 2月19日
  • 読了時間: 7分

サビアンシンボル魚座1度

昨日までの「水瓶座」という理想の地平から、今日、あたたかな霧につつまれて「魚座」の世界が訪れます。

あらゆるいのちが還る場所、そしてまた、生まれていくものがたりが幕をあけます。


今日、太陽は魚座1度へと進みます。

シンボルは「公共の市場 "A public market." 」です。


「公共の」は、特定のだれかのものではなく、すべての人にひらかれているという意味で、全体性(集団的無意識)へと接続されることを意味します。


「市場」は価値が交換される場所、「社交」と「実利」が同居することを表します。みえないものと、みえる形が、エネルギーとして循環しています。


すべての境界が溶けて融合する原初の水の中で、次なるサイクルへ、あたらしいスタートを切るための「真実」を抽出する、聖なる錬金術のはじまりです。



混ざりあうことで結晶化するもの


魚座の海には、象徴的に二つの水が流れています。

すべてを包み込む母なる塩の海「ティアマト」と、清らかな知恵の源泉である淡水「アプスー」です。


サビアンシンボル1度の市場は、二つの水が激しく混ざり合う「河口」のような場所です。 にぎやかな雑踏、とびかう言葉、感情の坩堝……。


そのカオスの中にとびこんで、いちどすべてが溶けあったのち、ゆっくりと「結晶化」するものがあります。それは次のサイクルへと持ちはこぶ「正四面体の塩」です。



アプスーとエンキ、淡水の知恵を流入する神


バビロニア神話に登場する神(元型)のアプスーとエンキ(エア)は、「淡水の源泉を、世代を超えて司る」象徴です。


アプスーは世界が生まれる前に存在した「地下の淡水の海」と伝えられ、原初の父性を象徴しています。意志をもつというよりは、物質化する前の「純粋な潜在能力」を示しています。


エデンの園追放物語やノアの洪水でおなじみの神・エンキは、アプスーを「眠らせ、その上に自分の宮殿(アプスー)を建てた」と伝えられてきました。形のない原初エネルギーに、知性と魔法(形)を与えた存在です。


魚座のシンボルには「巨匠」や「将校」などのキーワードが登場しますが、それは淡水の源泉を象徴する知恵の神、エンキのような役割なのかな、と思います。


海水と混ざりあうことで、塩が溶けこみ、結晶化して、正四面体の構造物を形づくる足場になっていく。


母なる塩の海「ティアマト」だけではいつまでもカタチにならず、清らかな知恵の源泉である淡水「アプスー」だけでは設計図どまりだった計画が、互いの価値を交換したり、飽和したりしながら、陸上に構造物を成していくという、「はじまり」が示されているシンボルです。


☆関連記事【保存版全30度】山羊座ものがたり☆星と神話のパスワーク(2026年土星の処方箋付、「エンキ」について、詳しく綴っています。*有料記事です)




あたたかな流体、可能性の交換所


かつて宇宙が形を成すまえ、すべては境界のない「聖なる水」の中にあった、という神話元型は、魚座1度で「すべてがいまここにあり、すべてとつながっていた」感覚を思い出すひな型でもあります。


市場は、見知らぬ誰かと肩が触れあい、言葉を交わし、価値を交換する場所で、それはシュタイナーが説く「あたたかな流体」を象徴していると感じます。


神秘学的な視点では、宇宙の進化の初期段階(土星紀や太陽紀)において、物質はまだ固まっておらず、すべてが「熱」や「流体」のような状態だったとされます。


そこから熱の強弱が生まれ、ガスが発生し、より光るエリアと暗い部分が創造されました。


春爛漫、魚座の季節に感じる「すべてとつながっている感覚」は、わたしたちの魂がかつて、あたたかな流体の中で、境界線なく溶け合っていた頃の郷愁のようなものかもしれません。


☆関連動画 

【雨水の魔法】身体の解氷|冬の鎧を脱ぎ捨てる春の儀式|雨水の候は魚座の季節【花鳥風月ものがたり】





神秘学や神話の視点から見ると、魚座が象徴する「水」は、「すべての可能性を孕んだ、形のない混沌」といえます。


古代エジプト神話に登場する宇宙のはじまり、「ヌン」と呼ばれる原初の水は、色もなく形もなく、すべてを等しく飲みこみ、溶かしあわせる「静寂の海」です。そしてヌンの中には、太陽神アトゥム(最初の光)が誕生するための「種」が、すでに眠っていました。


「冷たい静寂(水)」の中に「爆発的な創造の意志(火)」を内包している状態なので、魚座成分が「癒し(水)」と、「救済という強い理想(火)」を同時にもつのは、ヌンという宇宙のはじまりの記憶を宿しているから、と読むことができます。



淡水と塩水の交わり、生命誕生のダイナミズム


バビロニア神話で、淡水(アプスー)と塩水(ティアマト)が混ざり合うことで神々が生まれたという描写は、生物学的にも神話的にも示唆に富んでいます。


地球上の水のわずか約2.5%しかない淡水は、陸上生命にとっての「生存の絶対条件」を象徴しています。地球は膨大な海水に囲まれながらも、飲める水はごくわずかしか内包していません。


雨として降り、川を流れ、再び海へ還る淡水は、地球全体のエネルギーと「物質の循環(サイクル)」そのものの象徴です。


淡水・真水(特に湧き水や雨水)は汚れを洗い流す象徴で、宗教的儀式などでも水が使われるように、淡水は「過去を流し、新しく生まれ変わる」という再生の力を表します。


からだの渇きを癒す水は、困難な状況における「希望」や「救済」として、たくさんの絵画や物語に描かれてきました。


地球史をふり返ってみると、淡水は「人類の知恵と集結」の象徴でもあります。

四大文明が大河のほとりで誕生したように、淡水がある場所にはコミュニティが生まれ、文化が育まれてきました。


つまり、淡水は「社会の土台」そのものでもあります。

川を流れる淡水は、ふたつの異なる意味を同時に持ち、あちら側とこちら側を分ける「境界線」となり、上流から下流へと人や物を運ぶ「経路」にもなります。


「分断」と「交流」。

対立するふたつの概念をつなぎあわせるメタファーとして、淡水によって形成される「川」は、海の惑星・母なるガイアのうえを縦横無尽に駆け巡りながら機能しつづけてきた「文明」の礎です。


「すべてを包み込む母性・母なる海」の塩水と、性質のちがう水が混ざることで「動き(生命)」が生まれることから、異質なエネルギーが混ざり合う、生命誕生の熱気を表現しているのが、魚座1度です。



宇宙のすべてを宿す「すべて」


魚座の海は「完璧であること」を求めません。

泥も、光も、悲しみも、希望も、すべてを抱えたまま、この市場に立ってみて、とささやきます。


わたしたちはみんな、原初の水から生まれたひと雫。

今日は世界という大きな海に身を委ね、ゆらゆらと漂う心地よさを自分に許してあげてください。

「宇宙の原初の水」は魚座のものがたりを旅するあいだ、いつでも根源的な鍵となる概念です。



【今日の地球フィールドワーク】魚座1度


原初の水エネルギーを、日常のなかで「体感」するためのアクション


・「塩」で浄化しよう

天然の塩を入れたお風呂に浸かりましょう。水の中で「溶けていく感覚」を味わいながら、指先にのこる塩の「硬質さ」に触れ、自分のなかの「変わらない芯」を感じてみてください。塩で洗う、塩浴・塩洗顔は、お湯に溶かした塩の浸透圧で毛穴の汚れや古い角質を除去し、肌のターンオーバーを促す自然派美容法としても定着しました。母なるティアマトがこの世界に持ちこんだ海水(塩)は、地球惑星におけるすべての生命の母体です。塩水につかって瞑想するのは、大いなる循環、胎内回帰への旅へ誘ってくれるひとつの方法です。


・「混ざり合う」感覚を楽しむ

賑やかな市場や商店街、あるいはSNSのタイムラインなど、多様なエネルギーが渦巻く場所を「ただ眺める」時間を持ってみましょう。雑多なエネルギーには、もちろん隠れた怒りやストレスが渦まいていることもありますから、心配な人は麻の袋や綿のハンカチに塩を包んで、お守りにしましょう。海水と淡水が混ざり合う、ゆたかな流動体のなかで、今日は自分が何者(職業、役割など)でもなく、ただの「生命の一滴」であると想像して過ごしてみてください。買い物をするときのレジでの短いやり取りや、すれ違う人との会釈。その瞬間、お互いの宇宙が交差した奇跡を静かに祝ってみます。


・「ヌンの水」を意識する

洗顔や入浴の際、その水が宇宙のはじまりからつづく「記憶の連鎖」であることを感じてみましょう。いったいこの水は、何度蒸留され、雨水になり、雲になり、海水に溶けたり氷山で眠りこけたりしてきたのだろう、何億年、何十億年前から、地球の中を流動しているのだろうと、しずかに想像してみます。





▼つづきは白木海月noteにて綴っています。

(個人的な体験談を含むので有料記事とさせていただきました)




【目次】


「塩」のフシギ、 腐敗を防ぐ「結晶魔法」


「潮目」は、天の意志が物質界を動かす「脈動」


どろどろまっくら体験とやさしい気持ち


原初の水のアーキタイプ

1.エジプト神話:ヌン(Nun/Nu)

2.ギリシャ神話:カオス(Chaos)とオーケアノス

3.北欧神話:ギンヌンガガップ(Ginnungagap)

4.バビロニア神話:ティアマト(Tiamat)

5.ユング心理学:集団的無意識(Collective Unconscious)



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